026. 村上春樹の作品をひとつ読む
村上春樹はこんなもんじゃない → これが村上春樹か
文庫本を読むのは嫌いじゃない。これまでに数冊しか読んだことはないけど、機会があれば読む。その機会が訪れたのがタイへ旅行に行ったとき。当時、付き合ってた彼女が読んでいた本。それが東野圭吾の『 ダイイング・アイ 』だった。
東野圭吾 / ダイイング・アイ
タイにいる間に読み終わったから置いてってくれたんだけど… 旅の移動中はゲームをすることが多いし読むのはあまり乗り気じゃなかった。でもゲームにも飽きて最終的に時間を潰せなくなったときにこの本の存在を思い出す。読み始めたら予想以上に面白くて2日であっという間に読み終わってしまった。
このとき旅にはゲームじゃなくて文庫本がいいなと思った。ダイイング・アイという作品が良かったからこその気付きだったかもしれないけど… これが駄作だったら村上春樹の作品を読むこともなかっただろう。
彼の作品を読もうと思ったのは、自分が知ってる有名な人気作家だったから。世間にも広く名を知られてるし、芥川賞をはじめとする数々の賞も受賞している。だから彼の書いた作品なら間違いないだろうという勝手な決めつけで読むことに決めた。そしたらタイから帰国して本屋に行ったらタイミングよく新刊が出てた。それが『 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 』だ。
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
都内の深夜営業の本屋では販売開始に150人以上の列を作った本屋もあったらしい。そんな大人気作家の新刊ということで期待して読み始めてみたら… 淡々と読み終わってしまって心には何も響かなかった。
率直な感想がこれ。だって6本指のくだりとか、シロとクロと 3P する夢とか… 重要そうな部分なのに布石でも何でもなく終わっちゃうんだもん。高校時代の友人から突然、絶交された理由を紐解いていく話なのはわかる。でもそれが明らかになっても『 ふ~ん 』って感じだし内容がそれ一辺倒だからなのかな?早く次のページをめくりたいって衝動に駆られることがほとんどなかった。
村上春樹はどうしてこんなにも人気があるのだろう?それが不思議で仕方なかった。だから新刊を読み終わってすぐにこれ買いに行ったよね。
1Q84
彼の作品で知ってるタイトルと言えば『 1Q84 』だ。でもこれ『 IQ84 』だとずっと思ってた ^^; 文庫本で6冊あるから読むのに躊躇してたんだけど… 友達も面白いっていうから読むことにした。
そしたらどうでしょう。新刊とは違ってスピード感が違う!青豆と天吾の異なるストーリーから始まるんだけど… 読み進めていくと共通のキーワードが出始めたりなんかして先が気になる。気付けば話が複雑に絡み合っていって最終的には一つの物語になっているのが面白い。
6冊あった文庫本も2週間ほどで読み終わってしまった。特に3冊目のリトルピープルが出てきたあたりの勢いはハンパない。途中でもったいなくて読むのを止めて自分の中で色々と考察したりなんかした。
新刊で終わりにしないで 1Q84 を読んで正解!村上春樹にハマりつつあるワタクシは… 次なる本に手を伸ばしております。