パスポート査証欄が葛飾北斎の「 富嶽三十六景 」に変更

パスポートは宝物、ワールドトラベラーズ（ @KatsutoshiYuge ）です。

外務省はパスポート査証欄の図柄を現在の「 桜 」から、葛飾北斎の代表作である「 富嶽三十六景 」に変更する方針を固めました。

新デザインのパスポートは検討会議で正式に決定し、2019年に導入される予定です。

では、どのようなデザインなのか見てみましょう。

新デザインについて

富嶽三十六景のうち24作品を使用

外務省はパスポートの偽造・変造防止のため、定期的に旅券に改良を加えています。

今回の富嶽三十六景はデザインが複雑で、旅券のページごとに図柄が異なっていて、更なる偽造防止の効果が期待できそう。

富嶽三十六景のうち選ばれた24作品はこちらです。
※リンクをクリックもしくはタップすると Wikipedelia で作品を確認できます。

• 青山円座松（ あおやまえんざまつ ）
• 江都駿河町三井見世略図（ こうとするがちょうみついみせりゃくず ）
• 江戸日本橋（ えどにほんばし ）
• 隠田の水車（ おんでんのすいしゃ ）
• 御厩河岸より両国橋夕陽見（ おんまやがしよりりょうごくばしのせきようをみる ）
• 凱風快晴（ がいふうかいせい ）
• 上総ノ海路（ かずさのかいじ ）
• 神奈川沖浪裏（ かながわおきなみうら ）
• 礫川雪ノ旦（ こいしかわゆきのあした ）
• 甲州犬目峠（ こうしゅういぬめとうげ ）
• 甲州石班澤（ こうしゅうかじかざわ ）
• 甲州三坂水面（ こうしゅうみさかすいめん ）
• 甲州三島越（ こうしゅうみしまごえ ）
• 五百らかん寺さざゐどう（ ごひゃくらかんじさざゐどう ）
• 山下白雨（ さんかはくう ）
• 下目黒（ しもめぐろ ）
• 常州牛堀（ じょうしゅううしぼり ）
• 信州諏訪湖（ しんしゅうすわこ ）
• 隅田川関屋の里（ すみだがわせきやのさと ）
• 駿州江尻（ すんしゅうえじり ）
• 相州梅澤左（ そうしゅううめざわのひだり ）
• 相州江の島（ そうしゅうえのしま ）
• 相州七里浜（ そうしゅうしちりがはま ）
• 相州箱根湖水（ そうしゅうはこねのこすい ）

基本デザインの選定

誰がどうやってどのような理由から、このデザインに決定したのか…

外務省のウェブサイトには、このような記載がありました。

基本デザインの選定においては，事前に有識者5名による準備会合（領事局長主催）を開催し，複数の候補につきご議論頂いた内容を踏まえて決定しました。

外務省

なんと基本デザインの選定は5名という少なさ。

有識者の中にはメダリストである、元マラソンランナーの名前がありました。

これは2020年東京オリンピック・パラリンピックを念頭に置いているからこその選出だったのでしょうか…

次期旅券冊子デザイン選定準備会合メンバー

代表

高島　肇久（ 株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構会長 ）

メンバー

有森　裕子（ 元マラソン選手 ）
荻野　アンナ（ 慶應義塾大学文学部教授 ）
関口　知宏（ 俳優・旅人 ）
中林　忠良（ 東京芸術大学名誉教授 ）

こちらの5名の方が会合を開催してパスポートの新デザインを決めたのですね。

世界的にも広く知られている富嶽三十六景に目を付け、それを採用するセンスは素晴らしいと思います。

基本デザインについては，「日本的なデザイン」をコンセプトに検討を行い，そのうち「冨嶽三十六景」は世界的にも広く知られ，富士山をメインモチーフとし，まさに日本を代表する浮世絵であることから採用しました。

外務省

とは言え、富嶽三十六景のことを詳しく知っている人は少ないでしょう。

葛飾北斎という名前を聞いたことがあって、なんとなく代表作を見たことがある程度ではないでしょうか？

かくいうワールドトラベラーズもそうでした。

葛飾北斎

葛飾北斎（ かつしかほくさい ）は江戸時代後期の浮世絵師です。

代表作に「 富嶽三十六景 」や「 北斎漫画 」があり、世界的にも著名な画家。

森羅万象を描いて生涯に3万点を超える作品を発表しました。

富嶽三十六景

「 富嶽 」は富士山のことで、各地から望む富士山の景観を描いています。

独特な波のタッチと舟の中に富士山を描いた「 神奈川沖浪裏 」なら見たことある人も多いでしょう。

当初は主版の36枚の予定が、人気を集めたために10枚が追加され、合計で46枚になったそうです。

そして追加された10枚は「 裏富士 」と呼ばれています。

日本の新デザインパスポートは上記のような変更ですが、海外ではどのようなパスポートがあるのか見てみましょう。

海外のデザインについて

日本のパスポートって地味だと思っていたけど…

実際に調べてみると海外のデザインも似たようなものが多いです。

リンクWikipedia / List of passports

但し、日本の新デザイン同様に偽造防止に力を入れている国もあります。

スイス

表紙はスイスの国旗である十字の押し型がされていて作りが凝っていますね。

パスポートを開くと全て異なるデザインになっている査証欄。

カラフルでポップな感じは女性に好まれやすそうです。

スイスのパスポート風ノートとか手帳があれば人気が出るのでは？！

フィンランド

フィンランドのパスポートには、北欧に生息する大型のシカ「 ヘラジカ 」がプリントされています。

パスポートのページをパラパラめくっていくと、なんとヘラジカがトコトコ歩くパラパラ漫画仕様になっているのです。

国が認めた公的書類にパラパラ漫画をプリントするなんて素晴らしい遊び心ですね。

カナダ

多くのパスポートにはセキュリティー対策として、紫外線下でしか見られない絵がプリントしてあります。

日本のパスポートもそうですが、ブラックライトを当てると浮かび上がるのです。

ただ、カナダのパスポートは花火やカエデの葉が浮かび上がるなど、他国に比べて凝ったデザインになっています。

パスポートをブラックライトに当てる機会はあまりなさそうだけど、クラブやバーに行った際にお店にブラックライトがあれば話のネタになりそうですね。

ノルウェー

ノルウェーのパスポートも、ブラックライトで照らすとオーロラが出現するデザインになっています。

注目すべきは外側のデザインで、それは他国の退屈なデザインとは一線を画しているもの。

パスポートらしからぬ洗練さと色使いで、まるで可愛らしい手帳のようですね。

まとめ

葛飾北斎の新デザインパスポートを手に入れられるのは2019年。

どうせなら外側のデザインも一新してもらいたいものです。

どんなにデザインが良くても入れる国の数が増えるわけじゃないですけどね。

リンクビザ免除国の多いパスポートランキング2016

新デザインパスポートに備えて北斎デザインのパスポートケースはいかがでしょうか？